著者
野坂 洋子
出版者
法政大学現代福祉学部現代福祉研究編集委員会
雑誌
現代福祉研究 = 現代福祉研究 (ISSN:13463349)
巻号頁・発行日
vol.15, pp.141-151, 2015-03-01

本研究は、ドメスティック・バイオレンス(以下、DVとする。)とDV被害者支援現場にて発生している二次加害の類似性について整理することにより、二次加害防止に向けた方策を考察することを目的とする。DV被害者支援現場では、支援者が二次加害行動をして被害者にダメージを与え、支援を受ける動機付けを低下させる現象が発生しており、この防止策構築は喫緊の課題といえる。二次加害防止策構築の一環として、DVと二次加害の類似性に焦点を当てて分析・考察を行った結果、DVと二次加害には発生の仕組みと加害内容に類似性がみられた。この類似性が影響することにより、二次加害が発生するとDV被害者支援現場において支援者が被害者により深刻なダメージを及ぼすことにつながったり、被害者のアクセシビリティーを低下させる要因になり得ると考えられる。また、二次加害防止策の中でも支援者レベルの方策として、スーパービジョンの有効性も提言した。

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