- 著者
-
吉岡 毅
- 出版者
- Waseda University
- 巻号頁・発行日
- 2004
計算機による数値計算は浮動小数点数演算によって行われているため,丸めによる誤差を含んでしまい,その精度に関しては保証されていない.この問題に対し,近似解を計算すると同時にその正しさを数学的に保証する方法に関する研究が盛んになっている.この技法は精度保証付き数値計算とよばれている.統計解析計算は,様々な分野で行われている.解析計算を行う際,一つの方法としてオープンソースのRというフリーソフトによって解析計算を行う.本論文では,統計解析計算の結果を精度保証付きで求め,Rでの解析結果を検証することを目的とする.まず,解析計算の丸めを考慮して,区間演算を用いて解析計算を行うプログラムをC++で作成する.そして,その解析結果とRを使って計算した場合の解析結果の比較を行い,誤差解析を行う.解析計算は,推定,検定,重回帰分析について取り上げる.