著者
新藤 こずえ
出版者
北海道大学大学院教育学研究院
雑誌
北海道大学大学院教育学研究院紀要 (ISSN:18821669)
巻号頁・発行日
vol.138, pp.119-136, 2021-06-25

近年,児童養護施設で暮らす障害のある子どもが増加している。本稿では,その背景を概観したうえで,従来,児童養護施設で取り組まれてきた自立支援のあり方を問い直すものとして,施設における障害のある子どもの進路支援に焦点をあてる。施設職員を対象としたインタビュー調査の結果,進路支援の前提として,学齢期を通して子ども自身の障害受容を促す支援が行われているが,高校進学の段階では,普通高校よりも特別支援学校高等部への進学を後押しする働きかけが行われていることが明らかになった。しかし,障害のある子どもに対するこうした進路支援を含む自立支援は,子どもたちが望む「ふつう」の生活をあきらめさせることにもつながっている。他方で,障害のある子どもに対する進路支援は,ライフコースを通じてケアやサポートを利用しながら生きる,つまり依存しながら自立する可能性を広げる契機にもなっていると考えられる。

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実習に行った時、通常級の中学から特別支援学校高等部へ進学する子がいて、会話してる感じから一般高校でも大丈夫そうな子だったから何でだろ?って思ってたけど、これ読んでなるほどってなった。 https://t.co/RQpNLvio3b

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