著者
KANAI Kiyoshi
出版者
東京大学地震研究所
雑誌
東京大學地震研究所彙報 = Bulletin of the Earthquake Research Institute, University of Tokyo (ISSN:00408972)
巻号頁・発行日
vol.43, no.1, pp.195-203, 1965-07-15

前回の研究結果で,地震動による構造物振動が,構造物内での波動の重複反射の現象にほかならないことと,構造物の振動減衰性は,その内部では無視できるぐらい小さくて,ほとんどの部分が,基礎と土地との境界面で起ることが立証された.それにしても,構造物内に生ずる歪量は,構造物下に到達した地震波のエネルギーがどれだけ構造物内に伝達されるかということに支配されるものであり,また,他方において,一度構造物内,に入つたエネルギーがどれだけ基礎部分から地中に逸散するかということにも深い関係をもつものである.

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