- 著者
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江藤 正通
堀場 匠一朗
浅井 宏樹
津邑 公暁
松尾 啓志
- 雑誌
- 情報処理学会論文誌コンピューティングシステム(ACS) (ISSN:18827829)
- 巻号頁・発行日
- vol.5, no.5, pp.55-65, 2012-10-15
マルチコア環境における並列プログラミングでは,メモリアクセスの調停には一般にロックが用いられてきた.しかしロックを使用する場合,デッドロックの発生や並列性の低下などの問題がある.そこでロックを用いない並行性制御機構として LogTM が提案されている. LogTM では possible_cycle というフラグを用いて競合を解決する.しかし,この競合解決手法では starving writer が発生し,長期にわたるストールや競合の繰返しにより性能が大きく低下してしまう.そこで本稿では, starving writer の解決手法を提案する.提案手法の有効性を検証するためにシミュレーションによる評価を行った結果,既存の LogTM に比べて最大で 18.7%,平均で 6.6% の性能向上が得られることを確認した.