著者
増田 聡
雑誌
研究報告音楽情報科学(MUS) (ISSN:21888752)
巻号頁・発行日
vol.2016-MUS-110, no.12, pp.1-5, 2016-02-22

文化的表現の類似が見出されたとき,われわれはしばしば 「パクリ」 という語でそのことを指し示す.2015 年に話題となった五輪エンブレムの 「パクリ」 疑惑は記憶に新しい.現代の日本では 「パクリ」 は剽窃とほぼ同義の言葉として用いられる.だがこのような 「パクリ」 概念,表現の類似を所有権の侵害たる 「盗み」 として把握する考え方の出現はさほど古いものではない.「パクリ」 概念は 80 年代に現在の意味を獲得し,それまでの 「剽窃」 「盗作」 と異なったコノテーションをともなって表現の類似を指し示すようになる.本講演では 「パクリ」 概念の来歴とその背景を辿りつつ,いくつかの 「剽窃」 事例を音例に基づいて検討し,「表現の所有と盗み」 がどのような文脈のもとで捉えられているかを探る.

言及状況

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盗作や剽窃と「パクリ」というのはイコールではないですし、前者が法律的に判断されるものであるのに対して「パクリ」というのは多分に感覚的な部分が大きいので難しいですね。 https://t.co/8YfGlg7C8w

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