- 著者
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齋藤 彰
竹内 孔一
- 雑誌
- 研究報告情報基礎とアクセス技術(IFAT) (ISSN:21888884)
- 巻号頁・発行日
- vol.2017-IFAT-124, no.1, pp.1-5, 2017-02-03
テキスト含意認識問題の先行研究では,文に含まれる内容語の含有率などを含意の識別に用いていた. しかし,文中に現れる内容語の順序を考慮しない手法では,含意の識別において誤りが多くみられた.そこで,本研究ではテキスト含意認識を文の構造の包含関係を調べることにより,含意の識別を行うアプローチを提案する. 自然言語文から文の構造を生成する際に述語項構造解析エンジン Predicate-Argument Structure Analyzer (ASA) を利用した.従来の ASA による解析ではコピュラ文における述語について,内容語と機能語の分類が不完全であった.そのため,本研究ではその点について ASA を改良し,NTCIR-10 で提供されたRITE2 の問題セットを利用して評価実験を行った.評価実験の結果,ASA の改良により含意の識別に成功した事例が 3 件増加したことを報告する.