- 著者
-
杉本 学
窪田 貴文
河野 健二
- 雑誌
- 研究報告システムソフトウェアとオペレーティング・システム(OS) (ISSN:21888795)
- 巻号頁・発行日
- vol.2018-OS-143, no.14, pp.1-8, 2018-05-14
コンピュータシステムの信頼性を損なう要因の一つに,オペレーティングシステムのカーネルフェイラがある.実際,Linux には 700 以上のフォールトが存在し,半年間に 187,000 件以上の障害レポートが報告されている.カーネルにおけるフェイラでは,エラーがカーネル全体に伝播する場合は少なく,多くはカーネル内のプロセスコンテキストに閉じたプロセスローカルエラーとなっている.そして,フェイラの約 73 % はこのプロセスローカルエラーによるものである.本論文では,プロセスローカルエラーによるカーネルフェイラを検知しエラー状態を取り除くことで,カーネルの実行を継続する手法を提案する.プロセスローカルエラーでは,エラー状態がプロセスコンテキストに閉じているため,フェイラの発生したプロセスを強制終了することでカーネル内のエラー状態を回復させることができる.これにより,従来のカーネルではフェイラとなっていた場合でも,カーネルを停止させずに他のプロセスの実行を継続することができる.