著者
新垣 拓 防衛研究所地域研究部
出版者
GRIPS Policy Research Center
雑誌
GRIPS Discussion Papers
巻号頁・発行日
vol.18-19, 2018-12

米国の核兵器運用に同盟国を参画させるという核共有制度は、2つの形式をとりながらアイゼンハワー政権において開始された。第1には、NATOの枠組みとは別に、英国に配備したソー・ミサイルを米英2国間で運用する制度であり、第2には、NATOの枠組みにおいて、英国も含むNATO加盟国との2国間協定に基づいてイタリアとトルコに配備したジュピター・ミサイルや戦術核兵器を運用した核備蓄制度であった。ただし、同政権では、これらの2国間・核共有にとどまらず、第3の核共有制度が検討されていた。それは最終的に、NATO内にMRBM戦力部隊を段階的に創設するという、1960年12月のハーター提案というかたちで同盟国に示されることとなった。すなわち、即応性が高くソ連本土を射程に収めるポラリス・ミサイルを、原潜艦隊という海上プラットフォームに基づき多国間で運用する共有制度を、新たに打ち出したのであった。本稿では、未公刊の一次史料に依拠しながら、どのように多国間核共有論が形成・共有されるようになったのか、なぜMRBMが共有対象に選択されたのか、なぜ政権末期というタイミングでの提案に至ったのかという観点から分析を行うことで、米国政府内の主要な政策主体の認識や、核共有の在り方に関する政策論議を明らかにする。

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@cap33830 @RyuichiYoneyama その通りだと思います。 当初の考え方なら、今頃はウクライナに核を落としてます。 「NATO 核共有制度の多角化に向けた取り組み」2018 >核共有制度は、…NATO防衛戦略が、ソ連のいかなる軍事侵攻にも核兵器の即時使用を前提としていた https://t.co/D5fBJtgBPy https://t.co/ugmIZ0qqhs (キャッシュ)

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