著者
斉藤 健一 山口 岑雄
出版者
千葉県畜産センター
雑誌
千葉県畜産センター研究報告 (ISSN:03865673)
巻号頁・発行日
no.24, pp.31-38, 2000-11

卵黄中のβカロチン量を強化させた付加価値卵作出を目的に、市販の産卵鶏用配合飼料の他に長さ約1cmに細断したイタリアンライグラスを0g、20g及び40g/日・羽給与する区分と、配合飼料中にアルファルファミールが0%、7.5%及び15%含まれる飼料を給与する区分の2通りの方法で検討をおこなった。 その結果、各方法とも産卵成績に悪影響を与えることなく、卵黄中のβカロチン量を強化する事ができた。この場合の卵黄100g中βカロチン量は市販飼料のみ給与の0g区の12.8μgに対して、イタリアンライグラス20gおよび40g給与区がそれぞれ108.9μg、190.9μgとなった。またアルファルファミール無配合飼料給与区の0%区の12.4μgに対して、アルファルファミール7.5%および15%飼料給与でそれぞれ79.7μg、153.4μgとなった。 卵質検査成績は、イタリアンライグラスおよびアルファルファミールの給与量が増えるに従い卵黄色が改善される傾向にあった。 鶏卵1kgを生産するための飼料費は、市販飼料のみ給与の0g区の82.02円に対して、イタリアンライグラス20gおよび40g給与区がそれぞれ83.81円、93.76円となり、またアルファルファミール7.5%および15%区ではそれぞれ88.65円、88.86円となり、βカロチン強化卵の生産により飼料費が上昇した。