著者
渡辺 伸也
出版者
農業技術研究機構畜産草地研究所
雑誌
畜産草地研究所研究資料 (ISSN:13476572)
巻号頁・発行日
no.13, pp.17-134, 2012-03

1998年7月以来,本調査の時点まで,わが国では443頭の体細胞クローン牛が生産されていた。これらの動物の健全性を科学的に検証する際に必要とされる臨床学的なデータは,極めて不足していた。そこで,その不足しているデータを収集するため,体細胞クローン牛やその後代牛を飼育している全国の機関に協力を依頼し,呼吸数,脈拍数や血球数などに関する臨床的調査をほぼ同時期(2005年4~5月)に実施した。今回の全国調査により,対照牛と比較して極端な異常値を示した体細胞クローン牛を見出すことはできなかった。後代牛の測定値においても,一般牛と比較して極端な測定値を示した牛は認められなかった。