著者
仲本 康一郎
出版者
山梨大学
雑誌
言葉の学び、文化の交流 : 山梨大学留学生センター研究紀要 (ISSN:18810292)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.3-14, 2010-03-26

認知言語学によって、人間の言語は抽象的な記号系ではなく、われわれの身体やその活動に根ざすものであることがわかってきた。しかし、現在までの身体性の議論では、日本語でいう「感性」の側面は等閑視されている。本研究では、こういった経緯を踏まえ、認知言語学の新たな研究領域として"感性の言語学"を展開する1。今回は、感性の言語学の研究の第一歩として、日本語のオノマトペの研究動向を整理し、新たな研究の方向性を提示する。特に、オノマトペの持つ特徴的な性質である、類像性、身体性、全体性の三つを認知言語学の観点から多角的に分析し、今後の認知言語学が向かうべきオノマトペ研究の指針を示す。