著者
野田 保
出版者
The Vacuum Society of Japan
雑誌
真空技術 (ISSN:18837182)
巻号頁・発行日
vol.8, no.2, pp.75-95, 1957

分析のやつかいな炭化水素の分析においても十分安定に高性能を発揮し得るRMU-5型質量分析計をあらたに設計製作したが, 十分にその目的を達し得た理由の一つとして, 真空系に対する配慮を十分に施したことが挙げられる。本報告においてはまず質量分析計の真空条件について簡単に論じ, 次にこの主旨にそつて設計したRMU-5型質量分析計の主排気系の各部について述べ, 最後に若干の実験結果を報告する。特に, 高速度排気によつて約2時間で10<SUP>-7</SUP>mmHgの桁に入り, 分析中でも10<SUP>-7</SUP>mmHgの桁を保ち, トラツプ冷却剤の放置寿命が24時間にも達したことは予期以上であつた。