- 著者
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柿崎 優希
須賀 朋子
- 出版者
- 酪農学園大学
- 雑誌
- 酪農学園大学紀要. 人文・社会科学編 (ISSN:21870519)
- 巻号頁・発行日
- vol.47, no.2, 2023-03
本研究では,ギフテッドの定義に当てはまる獣医学生が,どのくらい存在するのか,獣医学生52名にWAIS-Ⅳ知能検査を行った。「ギフテッド(gifted)」とは,優れた能力を示す人を言う。WAIS-Ⅳ知能検査の結果,全検査IQ,言語理解,知覚推理,ワーキングメモリー,処理速度のいずれか,もしくは複数の項目で,IQ130以上に到達している学生を,ギフテッド群とした。その結果,獣医学生52名中25名が,IQ130以上の「ギフテッド」と考えられた。ギフテッドは優れた能力と同時に「超活動性」(OE:Overexcitability)と呼ばれる敏感さを併せ持っている場合が多いことから,獣医学生に,「ギフテッド」が高い確率で存在することは,それだけ心理的な支援が必要と考えられた。さらに,多くの獣医学生は自分の得意より,不得意を意識しがちであることから,得意を生かす教育が必要である。