著者
白井 亮久
出版者
武蔵高等学校中学校
雑誌
武蔵高等学校中学校紀要「The Musashi Bulletin -Musashi High School and Junior High School - 」 (ISSN:24324620)
巻号頁・発行日
no.2, pp.33-80, 2017-12-28

2016 年5 月~2017 年9 月に武蔵学園(東京都練馬区)に生息するホンドタヌキの調査を行った。目撃情報から1 頭~2 頭の成獣と4 頭の幼獣が確認され,側溝に接続する排水管をねぐらとしている可能性が高いことが示唆された。聞き取り調査から少なくとも1999年頃には生息していたこと,7.8ha という狭い敷地においても複数年に渡って繁殖をしていることから,武蔵学園は都市のタヌキの生息と繁殖場になっていると考えられた。加えて,練馬区での過去8 年間のロードキルの件数の変化を調べ,学校周辺でのタヌキの生息状況について考察した。
著者
加藤 十握
出版者
武蔵高等学校中学校
雑誌
武蔵高等学校中学校紀要「The Musashi Bulletin -Musashi High School and Junior High School - 」 (ISSN:24324620)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.(1)-(11), 2016-10-31

『雨月物語』「菊花の約」の主題は丈部左門と赤穴宗右衛門の「信義」にあるが、それと冒頭末尾の警句的言辞との間に違和が生じているとされてきた。本論では、左門や宗右衛門たちの、貧困や孤独から生きる証しを求めてすがった「信義」と、身を翻して尼子経久に従う赤穴丹治をはじめ多くの者たちの「軽薄」との対比が本話の主題に通底することを確認し、同時代における読みの可能性までを論じた。