- 著者
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平山 裕之
- 出版者
- 奈良大学大学院
- 雑誌
- 奈良大学大学院研究年報 (ISSN:13420453)
- 巻号頁・発行日
- vol.14号, pp.196-198, 2009-03
日本の中近世は、多様で個性的な「集落(都市・町・村落)」が展開した時代とされる。近年、中近世考古学の顕著な進展に伴い、「集落遺跡」に対する関心も高揚しており、その調査・研究は学際的に結実することが多くなった。しかしながら、そうした学際的研究の場において、これまで議論の狙上に載ることがほぼ皆無であった集落も存在している。その典型例に「鉱山集落」を挙げられよう。鉱山集落を「都市」と認識する研究も存在しているが、「遺跡」としての認知度が低く、また開発行為に伴う緊急発掘の対象になることも稀で、考古学的にはその評価が判然としていない。本論文はこうした現状を鑑み、鉱山集落は「都市遺跡」との認識が可能か否かを念頭に置くものとする。そして集落の実相について考古学的な検討を行うが、特に「中近世移行期」における金銀山集落の再評価を目的としている。