著者
村上 朋美 濱田 輝一 橋本 孝
出版者
九州理学療法士・作業療法士合同学会
雑誌
九州理学療法士・作業療法士合同学会誌 第25回九州理学療法士・作業療法士合同学会誌 (ISSN:09152032)
巻号頁・発行日
pp.123, 2003 (Released:2004-01-08)

【はじめに】深呼吸の指導時、SpO2の変化を見ていたところ、一時的にSpO2は上昇するものの、最初の数値よりも下降する事が度々見られたので、検討し報告する。【対象と方法】1)対象:当院実習中の女子看護学生16名。2)計測方法:深呼吸(鼻から吸い口から吐いた)5回のSpO2の経時的変化を計測し、パターンを見た。【結果と考察】変化の全体傾向と最頻度(68.7%)は、当然同一型で、SpO2は深呼吸開始後上昇し、次いで安静時以下に下降し、安静時に戻る型となった。また最頻度型の時間的変化(秒)・比率ではax:bx:cx=24.7: 64.9:77.8=1:4:5であった。つまり深呼吸を開始して、3分前後で安静時に戻るが、下降から安静時に戻るまでには、全体時間の半分を要していた。今回リラックスした呼吸と思われ、使用されている深呼吸技術に疑問を感じ研究した結果、予測と異なるSpO2の低下が健常人でも起こることが確認できた。深呼吸技術の是非を含め、まだ課題も多いことから今後もさらに継続検討を重ねたい。
著者
田中 和重 落合 裕之 野田 喜寛 勝見 良子 小林 智子 石丸 智之 土屋 隆之
出版者
九州理学療法士・作業療法士合同学会
雑誌
九州理学療法士・作業療法士合同学会誌 第25回九州理学療法士・作業療法士合同学会誌 (ISSN:09152032)
巻号頁・発行日
pp.54, 2003 (Released:2004-01-08)

足関節外側靭帯損傷は足関節の外傷中最多であり、捻挫をして治療を受けないまま放置し、繰り返し再発を来たして足関節に不安定性を呈し、習慣性捻挫や変形性関節症(以下OA)を来たす事が知られている。今回、陳旧性前距腓靭帯損傷に対し、薄筋での靭帯再建術を施行し、日常生活において装具除去は術後3ヶ月、レクリエーションレベルの運動は装具装着にて2.5_から_3ヶ月、競技レベルの運動は術後半年より開始とした。膝屈伸筋トルクの健側との比較も行い術後3ヶ月の時点で膝屈曲:64.0%(60°/sec)、67.3%(180°/sec)、伸展80.3%、96.4%へと改善見られた為、ジョギング開始。3.5ヶ月よりサイドステップを開始。6ヶ月で底屈筋力5/5となり安定性も良好な為、クラブレベルのスポーツ復帰した2症例を経験したので報告する。今回の術式は強固な安定性が得られる為、膝屈曲筋力と荷重時期に重きをおいた。膝の筋トルクを比較し、スポーツ復帰の1つの指標とした。1症例については足関節安定性が得られても、遊離軟骨や、OAを伴う症例は後療法が長期化し、不安定性が長期化した場合、軟骨損傷は避けられずOAへ移行する事が予想される。