著者
諏訪 正樹 高尾 恭平
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第21回 (2007)
巻号頁・発行日
pp.1H36, 2007 (Released:2018-07-29)

身体技は一種の暗黙知であると考えられてきた.自分の身体の動きや体感を漏れなく完全に言葉にすることは不可能であるが、メタ認知的な言語化の実践は身体技の熟達に大きな貢献を与える.本研究は、8ヶ月に渡ってダーツの熟達を目指して練習を積んだ被験者の、言葉とパフォーマンスの関係を明らかにするものである.パフォーマンスの上達(スコアの局所的ピークおよび熟達度のブレイク)は、身体部位に関する言葉の数、その詳細度と比率、言葉同士の関係の数に如実に表れる.学習者がメタ認知的に自分の身体を語ることが熟達にどのような効果もたらすのかを論じたい.