著者
木村 祐哉
出版者
北海道獣医師会
雑誌
北海道獸醫師會雑誌 (ISSN:00183385)
巻号頁・発行日
vol.53, no.5, pp.10-13, 2009-05-01

参加者がそれぞれ獣医師役、飼い主役、観察者を演じるピア・ロールプレイの手法を採用し、臨床志向の獣医学生らに対して診療コミュニケーションを向上するための実習を行った。ロールプレイ終了後には、その内容について各自フィードバックを受け、ポートフォリオに準じて自己評価した。2日間で計9名の獣医学生、2名の臨床獣医師が参加し、いずれからも高い満足が得られた。獣医師役を演じた自己評価は否定的な内容が多かったが、飼い主役と観察者からのフィードバックには肯定的な意見も多くみられ、全体としてバランス良く反省することが可能であった。また、初回に得られた反省は、次回の目標設定に影響を及ぼしており、ポートフォリオによる評価が有用であることが示唆された。ロールプレイの導入は、適切な評価方法を用いることで、コミュニケーション能力を向上するための妥当な手段になると考えられる。