著者
岩下 敦子 清水 英樹 熊林 義晃
出版者
北海道立食品加工研究センター
雑誌
北海道立食品加工研究センター研究報告 = Bulletin of Hokkaido Food Processing Research Center (ISSN:13403001)
巻号頁・発行日
no.4, pp.9-12, 2000-03

北海道の主要水産物のシロサケ加工時の未利用部位である皮の有効利用法として,皮よりゼラチンを抽出する方法の検討および食品への利用可能性について試験を行った.(1)有機溶媒を用いない脱脂・脱臭効果のあるゼラチンの抽出方法として塩漬処理を導入した工程を試みた.塩漬処理ゼラチンの品質評価として,魚臭の有無,一般成分分析および物性測定をエタノール処理ゼラチンと比較した.塩漬処理方法は脱脂・脱臭に効果があり,海産物(サケ皮)からのゼラチン抽出方法として安価で容易な方法であることが認められた.(2)塩漬処理ゼラチンの低温での粘性は,ほ乳類ゼラチンよりも穏やかであり,ゾルの調整が容易であることが認められた.(3)アイスクリームの増粘剤として利用を試みた結果,異臭もなく,一般食品へ利用できることが認められた.