- 著者
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山本 摩梨子
小澤 三枝子
- 雑誌
- 国立看護大学校研究紀要 = Journal of Nursing Studies, NCNJ (ISSN:13473611)
- 巻号頁・発行日
- vol.19, no.1, pp.1-9, 2020-03
看護師自らが職場ソーシャルサポートを得るための方策を検討することを目的に、3施設の病棟に勤める看護職員を対象に無記名自記式質問紙調査を行った。調査項目は、職場ソーシャルサポート、被援助志向性、援助要請スキル、SOC(sense of coherence;首尾一貫感覚)などである。調査票配布数643、回収数218(回収率33.9%)、有効回答数217であった。単変量解析の結果、看護職経験年数5年未満の群は、5年以上の群より得ている職場ソーシャルサポートが多かった。被援助志向性では性差が見られた。経験5年以上の女性看護師109名を対象とする共分散構造分析の結果、職場ソーシャルサポートへの直接効果は、援助要請スキルからが.50、被援助に対する懸念からが-.22、把握可能感からが-.24であった。SOCが高くなると援助要請スキルが高くなり(.81)、被援助に対する懸念を弱くする(-.63)ことができ、看護師自ら職場ソーシャルサポートを得ることに有用である可能性が示唆された。(著者抄録)