著者
馬場 由成 大江 薫
出版者
宮崎大学学内合同研究
雑誌
地域産業とエコサイエンス : 環境の世紀-循環型社会をめざして : 研究成果報告書
巻号頁・発行日
pp.44-47, 2002 (Released:2008-02-01)

生体起源の吸着剤である竹炭、ヤシ殻活性炭を用いた硝酸性窒素の除去システムを構築するために、水圏からの硝酸性窒素の吸着挙動を調べた。各吸着剤における硝酸イオンの吸着はpH2-4の領域で最大を示した。吸着剤における硝酸イオンの吸着はLangmuir型を示し、吸着剤表面に単分子層吸着していることがわかった。Langmuir式に基づいて求めた竹炭、ヤシ殻活性炭の吸着平衡定数は2.45、2.72dm3/mmol、飽和吸着量は0.0598、0.266mmol/gであった。比表面積が竹炭の約3倍大きいヤシ殻活性炭が最も高い吸着量を示し、比表面積が硝酸イオン吸着に対して重要な因子であることを示唆している。竹炭、ヤシ殻活性炭の硝酸イオン吸着における微分吸着熱は小さく、硝酸イオンと吸着剤表面との結合は非常に弱いことが示唆される。