著者
川崎 和治
出版者
沖縄大学法経学部
雑誌
沖縄大学法経学部紀要 = Okinawa University JOURNAL OF LAW & ECONOMICS (ISSN:13463128)
巻号頁・発行日
no.13, pp.87-113, 2009-11-30

1999年以来、「司法制度改革」が行われている。これは、利用者である国民の視点から、司法の基本的制度を抜本的に見直そうというものであり、裁判制度自体や国民に対する司法サービスの提供など、多くの改革が進められてきた。その中で、いわゆるADR機関や法テラスの創設によって、国民の権利救済機関へのアクセス強化が図られたことは、大いに歓迎するところである。しかし、かねてより司法過疎が問題となっている中で、いわゆる「ゼロワン地域」に対して、いくつかの制度的支援策が講じられてきたが、とくに島嶼を多く抱える地域にあっては、ゼロワン地域の枠からは外れるものの、今なお「司法過疎」の状況にある地域も多く存在している。本資料は、全国の裁判管轄区域毎に居住する人口と、同区域の実務法律家(行政書士)数を集計し、一人の実務法律家が受け持つ担当人口を算出したものである。もとより、実務法律家の活動が、その所属地域を超えて行われていることは承知している。しかし、本資料で集計した数値は、司法過疎地域を抽出するための一応の目安となるのではないかと考えてい。