著者
石井 秀樹 斎藤 馨
出版者
一般社団法人 環境情報科学センター
雑誌
環境情報科学論文集 Vol.25(第25回環境研究発表会)
巻号頁・発行日
pp.293-298, 2011 (Released:2014-05-08)

本稿では「見沼田圃公有地化推進事業」を事例として,見沼田圃各地に点在する公有地の土地利用と土壌組成の関係性に注目し,地の利にあった土地管理を検討した。見沼田圃の土壌はりん酸が枯渇しやすい黒ボク土だが,地下には大量の植物遺骸が埋没しており腐植が多い。調査の結果,有機物を土壌還元する「見沼田んぼ福祉農園」では,りん酸や加里を充足する土壌システムが形成されている可能性が示唆された。市民活動には,収益性よりも手間・暇をかけ達成感を得ることを目的とする活動も多く,有機物を還元に重きをおいた管理方法は見沼田圃の地の利を活かすとともに,保全活動の魅力を高め,当該事業の持続可能性を高めると考えられた。
著者
桧尾 亮一 松岡 浩史
出版者
一般社団法人 環境情報科学センター
雑誌
環境情報科学論文集 Vol.25(第25回環境研究発表会)
巻号頁・発行日
pp.7-12, 2011 (Released:2014-05-08)

近年,いくつかの自治体ではゴミ減量化や資源循環の観点から廃食用油利用によるBDF燃料化が行われている。本研究では稼働中のBDF化リサイクルシステムで得られた実測データを基にLCA手法を用いて二酸化炭素排出量の算出を行った。評価対象は廃食用油をBDF処理した場合と焼却・下水処理する場合を想定し算出した。BDF燃料のライフサイクル二酸化炭素排出係数としては1.34~1.65kgCO2 /Lと算出され,軽油の2.78kgCO2 /Lと比較すると41~52%程度の二酸化炭素排出量削減効果があったと考えられた。また,当該地域での一人当たりの年間削減量としては最大で約265gCO2 /年となった。