著者
日髙 杏子
出版者
Shibaura Institute of Technology Color and Communication Design Laboratory
雑誌
色彩・コミュニケーションデザイン (ISSN:24353906)
巻号頁・発行日
pp.18-31, 2020 (Released:2020-04-10)

本稿では、デジタルアートのシンポジウムと学生ワークショップの開催方法について、実証的な事例を紹介する。2019年3月、芝浦工業大学色彩コミュニケーションデザイン研究室では「第1回 カラーデジタルアート× 照明シンポジウム・ワークショップ」を開催した。今回の分析では、ワークショップでアートとテクノロジーをどのように融合させていくかが焦点となっている。 シンポジウムとワークショップでは、今後10年間のインタラクティブな空間デザインやデジタルアートの技術の方向性や流れについて、シンポジウム形式の座談会を行い、未来のデザイナーやエンジニアのインキュベーターとなることを目指した。世界の様々な地域の人々が集い、インタラクティブアートを生み出すことは可能なのか?そのようなアートは、普遍的なコミュニケーションツールになりうるのか?これらは、本イベントの開催を導く重要な問いである。この記事の中心的な目的は、多様な文化的、言語的、教育的背景を持つ学生と教員によるワークショップでのデジタルアート制作のケーススタディを記述することである。このような状況でデジタルアートを制作することのポジティブな側面とネガティブな側面について論じている。