著者
志賀 達雄
出版者
駒澤大学
雑誌
駒沢短期大学放射線科論集 (ISSN:09146687)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.30-69, 1977-03

明治末期から大正・昭和初期に亘る約40年間にわが国のレントゲン技術、医学は急速に進歩発達したが、その間にこれらの仕事に生魂込めて専心従事した諸先覚者の中には蓮燈研線の過照射のため、不治ともいうべき皮膚癌、重篤な造血臓器障害のために天寿を全うし得なかった人々が100名以上にも上ると推測せられている。これらの尊い犠牲者のうち記録が明確に残っており、X線の過大被ばくが主な死因と思われる60名の医師、技師について、その寿命とその障害経過について推計統計学的に調査・研究したのである。致命的なX線障害としては、皮膚癌41例(68.3%)、骨髄性白血病12例(20.0%)、再生不能性貧血7例(11.7%)であって、X線就業から発病、死亡に到るまで10〜40年の長期に亘るもので、その経過、病症度など様々であるし、主として取扱・操作した装置、使用頻度、被ばく線量など推計することさえ極めて困難なことであるので、その寿命を各々の死亡時点における日本人の平均寿命と比較して犠牲者の寿命の長短を推計統計学的に調査、研究し、医師27名(45%)、技師33名(55%)について寿命の長短、皮膚癌発生が、比較的早いか遅いか、などについても検討を加えたのである。またX線皮膚癌については、就業のときから発癌、病脳時期、死亡に到る間を10の病症度に分けて、全症例を早発性緩行型、中発性進行型、遅発性急悪型に3区別して追跡した。
著者
西澤 かな枝
出版者
駒澤大学
雑誌
駒沢短期大学放射線科論集 (ISSN:09146687)
巻号頁・発行日
vol.25, pp.17-24, 2000-06