出版者
鹿児島県果樹試験場
雑誌
鹿児島県果樹試験場研究報告 = Bulletin of the Kagoshima Fruit Tree Experiment Station (ISSN:13438778)
巻号頁・発行日
no.3, pp.23-27, 2001-03

自発休眠覚醒後の12月下旬から2月に至る間の加温開始により,収穫期間が6~9月までの栽培の可能性を検討した。 1.10月1日からビニル被覆時期までの低温遭遇時間は,6月採り区が470時間,7月採り区が994時間,7~8月採り区が1,402時間であった。 2.開花期及び期間は石灰窒素及びスーパークロロゲン青の処理別に,6月採り区では3月18日~4月5日の18日間,3月16日~4月1日の16日間,7月採り区では4月15日~20日の5日間,4月8日~17日の9日間,7~8月採り区では4月21日~28日の7日間,4月16日~23日の7日間,8~9月採り区で5月17日~24日の7日間,5月15日~21日の6日間であった。 3.収穫期は発芽促進剤の種類による程度の差はなかった。収穫期及び期間は,6月採り区では7月1日~16日の15日間,7月採り区では7月20日~8月8日の19日間,7~8月採り区では8月1日~20日の19日間,8月~9月採り区は8月13日~9月4日の22日間であった。 4.果実の着色は,発芽促進剤の種類による程度の差はなかった。6月採り区では7.9~8.1,7月採り区では7.4~7.8,7~8月採り区では7.0~7.1,8~9月採り区では7.5~7.6であった。早い加温区では着色は良好であった。 5.酒石酸(%)は,発芽促進剤の種類による時期の差はなかった。6月採り区では0.45~0.46%,7月採り区では0.35~0.40%,7~8月採り区では0.39%,8~9月採り区では0.39~0.40%であった。 6月採り区がやや高いが,食味上問題はなかった。 6.これらを総括し,4種の作型の成育相を示した。