著者
江川 陽介
出版者
国士舘大学大学院人文科学研究科編集委員会
雑誌
国士舘人文科学論集 = Kokushikan Journal of Human Sciences (ISSN:24355690)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.29-37, 2020-02-29

【緒言】波動水を用いて身体の調整を行うという試みに関しては、先行研究が極めて少なく、また波動水そのものの理論が科学的根拠に乏しい。本研究では、精神的ストレス負荷からの回復に波動水が与える影響について検討した。【方法】被験者は健康な男子学生7名とし、精神的ストレス負荷を与えるのみのコントロール試行(CONTROL)と、精神的ストレス負荷をかけた後に市販のナチュラルミネラルウォーターを飲用させた普通水試行(NMW)、精神的ストレス負荷をかけた後に波動水を飲用させた波動水試行(WW)の3試行を行わせた。ストレス負荷には、内田クレペリン検査の手法を用いた。【結果および考察】精神的ストレス負荷直後には、すべての群において精神的な緊張の指標(α波/β波比率)が低下し、脳が緊張状態にあった。一方で、精神的ストレス負荷に続いて波動水を摂取したWW群とCONTROL群とのα波/β波比率の比較をしたところ、WW群の方がα波/β波比率が高く、緊張状態が緩和されていた。波動水を摂取することによって精神的な緊張状態から早期に回復した可能性が考えられる。