- 著者
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烏山人
- 出版者
- 林新助[ほか1名]
- 巻号頁・発行日
- 1821
烏山人作、華岳画の絵入り狂詩集。文政4年(1821)正月、京都・林権兵衛、林新助刊、小本1冊。見返し「茶楽斎蔵版」。墨摺りで、薄墨は手彩色。各見開きに、烏山人の狂詩に、その趣を表現した、華岳の略画を配したもの。目録に「春日雑詩」以下、23の題。「春日雑詩」は「日長風暖不居内、毎日飛出二月天、行先曽是無当戸、虚々徘徊寺町辺」で、絵は、溝板を挟んで、人通りと寺、見世物小屋がある京都寺町通りの新京極辺りの風情を写している。愚仏山人の序では、「鼈之美鹿之鮮、若加之以生薑与根深、則其味也益佳」と、狂詩と絵の取り合わせを、スッポンや鹿肉に生姜とネギを加えた味わいに譬えている。(鈴木淳)(2017.2)