- 著者
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桑楊庵 編
- 出版者
- 永寿堂西村屋与八
- 巻号頁・発行日
- 1805
浅草干則撰、葛飾北斎画の絵入り春興狂歌本。文化2年(1805)春、江戸西村与八刊。大本1冊。序に「あか翁のもとつふみの名よ、かの百さへつりとしもふたゝひかうむらす」云々とあり、桑楊庵二世の干則が初世の頭光撰の絵入り春興狂歌本『百さへつり』を追慕して刊行したもの。作者は、自得菴花咲翁を巻頭に、上野大間々の千載連、妙義の白雪連、下野、常陸などの芙蓉連や不二見連、三河の擣衣連など、浅草側に属する諸国の連から、江戸の浅草側判者に及び、巻軸は干則の2首で閉められる。絵は「深川八幡宮」「駿河台春景」「新吉原年礼」「浅草観世音」「両国橋」「葺屋町」「御殿山」の7図。「葺屋町」の名題看板に「亥の初春」とあるので、文化元年の成立か。ごく稀本であるが、彫り直されて色摺り一枚摺りでも行われた。(鈴木淳)