- 著者
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円山応挙
- 出版者
- 菱屋五兵衛
- 巻号頁・発行日
- 1850
円山応挙原画。嘉永3年(1850)11月、京都・菱屋孫兵衛刊。大1帖。墨摺り。彫刻・樋口与兵衛、摺工・丸屋佐兵衛。成立は、玄々山人(田辺憲)の題字「筆歌墨舞」に、「五車楼主人之需、癸巳仲秋望後一日玄々山人書」とあるので、天保4年(1833)か。絵のみで詞書きの類はなく、所々に「応挙」の署名及び印を押す。画題は、宝珠、万歳、若松、梅、尾長、桜、鶯、蕨、恵比寿、大黒、福禄寿、寿老人、朝顔、鶴、亀、芍薬、牛飼い童子、石榴、桔梗、紅葉、竹に雀、大根、山水、鶴で、道釈、草木、山水、鳥獣、その他に亘る。配列はおおよそ季節順。水墨画が醸し出す淡白で簡素な世界を、墨の濃淡、ぼかしといった旧来の技術を駆使して板面に再現したもので、肉筆と見紛うような印象がある。厚表紙のアルバム体裁の画帖。(鈴木淳)