8 0 0 0 OA 論語 10巻

出版者
阿佐井野氏
巻号頁・発行日
1533

日本で刊行された『論語』としては、正平19年(1364)の『論語集解』(正平版論語)につぎ、「天文版論語」と呼ばれる。最初に魏の何晏の序があり、巻頭に「何晏集解」と記すが、本文のみで何晏らの注はない。天文2年の清原宣賢の跋文があり、清原家の伝本により堺の阿佐井野氏が刊行した旨を記す。阿佐井野氏は、阿佐井野宗禎が『三体詩』、宗瑞が『医書大全』を出版している。これらを「阿佐井野版」と称する。天文版論語の版木は堺の南宗寺に戦前まで伝わっており、近世以降の後印本が多く伝来するが、本書は後遊び紙に天文16年(1547)11月の宣賢自筆識語があり、刷りも鮮明で、稀少な初印本と思われる。豪華な西陣織の表紙(江戸時代)がつけられている。全巻にわたり朱点、訓点を付し、上欄に校異を記した個所もある。