著者
今 純一 矢本 智之 山田 耕司
出版者
青森県農林総合研究センター林業試験場
雑誌
林業試験場報告 (ISSN:1349242X)
巻号頁・発行日
vol.2004, pp.7-23, 2004

昆虫多様性調査に適したトラップの選択と、その調査方法を明らかにするために、平成16年度は山地広葉樹林に黒色と白色の衝突板式トラップとマレーズトラップを設置して、捕獲された甲虫目及びカミキリムシ科の科や種及び個体数を調査した。その結果、カミキリムシでは、14・15年度に行った里山広葉樹林の調査でほとんど捕獲出来なかった山地を表徴する種が得られた。また、マレーズトラップを1林分に2基ずつ設定したところ、各トラップで捕獲できた甲虫の種数や個体数に非常に差があったことから、今後は林分内に複数基のマレーズトラップを設置して調査・検討することが望ましいものと思われた。トラップの使用方法について、カミキリムシ科のハナカミキリ亜科では、白色の衝突板トラップやマレーズトラップを使用し、5月中・下旬から梅雨入り前までの短期間調査することにより、林分ごとの種構成を把握することが可能と思われた。また、カミキリ亜科のトラカミキリ族も表徴的なグループであり、白色と黒色の衝突板トラップの併用が適しているものと思われたが、種構成を把握するためには、春期から夏期までの長期間の調査が必要である。
著者
田中 功二
出版者
青森県農林総合研究センター林業試験場
雑誌
林業試験場報告 (ISSN:1349242X)
巻号頁・発行日
vol.2008, pp.14-27, 2008

青森県十和田市の林業試験場十和田ほ場に、平成15年から19年に掛け、育種種子を生産・販売する目的で、昭和29年から45年にかけて選抜された精英樹を主な構成クローンとするヒバミニチュア採種園を0.35ha造成した。この5年間の造成を第一期として区切り、これまでの採種園造成に関わる基礎的なデータとして、ヒバさし木発根性と採種園の概要を今後の研究及び事業の参考に資するために取りまとめた。
著者
田中 功二
出版者
青森県農林総合研究センター林業試験場
雑誌
林業試験場報告 (ISSN:1349242X)
巻号頁・発行日
vol.2007, pp.33-37, 2007

平成12年度から18年度にかけてスギ精英樹クローンの施設ざしを行い、これまでにまとめられている東北育種基本区スギ精英樹特性表を補完する形式で、データを整理した。今回、改良土を用土とした施設ざしで、新たな32クローンの発根率の評価値を提示した。このことにより、青森県内から選抜された精英樹177クローンのうち、129クローン(73%)において、施設ざしのさし木発根性評価値が公表されることになった。