著者
九嶋 亮治 葛原 正樹 馬場 正道 服部 行紀 松原 亜季子
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.1481-1491, 2015-11-25

要旨●胃底腺型胃癌は胃底腺粘膜に発生する主に低異型度な分化型腫瘍で主細胞への分化が明瞭なものを指す.この腫瘍の臨床病理学的特徴を深く理解することを目的として,胃底腺粘膜の増殖・分化と化生,また,同じ胃底腺粘膜に発生する腫瘍様病変と低異型度腫瘍の病理学的特徴について解説する.胃底腺細胞は腺頸部より表層の腺窩上皮,深部方向の頸部粘液細胞,壁細胞,主細胞と内分泌細胞から構成される.頸部粘液細胞は主細胞の前駆細胞である.化生としては偽幽門腺化生,幽門腺化生と完全型腸上皮化生が発生する.これらの正常・化生組織を基盤として,腫瘍様病変としては腺窩上皮型過形成性ポリープ,胃底腺ポリープ,過誤腫性内反性ポリープ(粘膜下異所性胃腺)が,低異型度腫瘍としては腺窩上皮型腫瘍,胃底腺ポリープに伴う腺窩上皮型腫瘍,胃型腺腫(幽門腺腺腫),カルチノイドと低異型度小腸型腺癌が発生し,実際的あるいは概念的に胃底腺型胃癌の鑑別診断の対象となりうる.

言及状況

外部データベース (DOI)

Twitter (1 users, 1 posts, 1 favorites)

@fushiana0000 このへんの鑑別はしっかりしたのでしょうか? https://t.co/wfexWMqgAx

収集済み URL リスト