著者
嶋 聡子 磯田 憲一 水谷 仁
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.145-147, 2005-04-01

要約 近年,身のまわりの化学物質の種類の増加やオフィス,住宅における建材の変化,気密性の増強などに伴い,種々の症状を訴える人が増加し社会問題となっている.これらの病態に対して化学物質過敏症(multiple chemical sensitivity;MCS)という概念が提唱され,基礎および臨床面からその対応が迫られている.MCSの最大の原因物質としてホルムアルデヒド(FA)が問題視されているが1),本稿では多量の新製品パーソナルコンピュータ(PC)を設置した室内で新たにアレルギー様症状を呈した1例を提示する.そして,FA室内濃度の測定結果を踏まえ,PCから排出されたFAと関係すると考えられたため,新たにPCアレルギーという概念を提唱するとともに,今後FAも含めMCSのさらなる解明とPCを含めた環境基準の設定を期待する.

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