- 著者
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木村 友香
舟木 聡子
加藤 敦子
- 出版者
- 医学書院
- 巻号頁・発行日
- pp.27-30, 2017-01-01
要約 65歳,男性.元来花粉症がある.ウマやウマの餌との接触により蕁麻疹や夜間の咳嗽が出現した.皮疹は生じず咳嗽のみ生じるときもあった.ウマ皮屑の特異的IgEと,皮屑,毛,餌のプリックテストは陽性であり,ウマ皮屑と毛のプリックテスト中,眼球結膜充血と咳嗽,軽度の呼吸困難感が出現した.以上より,ウマとウマの餌による即時型アレルギーと診断した.ウマの餌による接触蕁麻疹とウマによる呼吸器症状を伴う接触蕁麻疹症候群,気管支喘息も合併した多彩な症状を呈した症例と考えた.ウマを避けることはもちろん,近縁関係にある大型四足動物との接触でも同様の症状を生じる可能性があり,避けるほうが望ましいと指導した.ウマ血清はウマの皮屑と共通抗原性があると報告されており,ウマアレルギー患者においてはウマ血清を用いた抗毒素血清の使用は注意が必要である.