著者
田中 重男
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.38-42, 1967-12-10

三池炭鉱三川鉱では,昭和38年11月9日坑内の炭じん爆発で458名が死亡して,そのうち20名が爆死,438名が一酸化炭素中毒死であった。生存者941名のうち,意識喪失の状態になったものが435名あり,その大部分が一酸化炭素中毒によるものである。それから4年後の昭和42年9月28日には,同じ三川鉱で坑内火災が発生して,一酸化炭素中毒のため7名が死亡して,多くの被災者を出したが,今度は全般に症状が軽く,後遺症を残すものはないという見通しである。 一酸化炭素(CO)ガスは各種燃料の不完全燃焼によって生じ,無色,無臭,無刺激性で,比重は0.967と空気よりわずかに軽い。COガスは各種の工場のみならず,石油やガソリンを使用する暖房器具や自動車のエンジンなど,また都市ガスを使用する家庭内においても発生する。日常使用しているものでは,微量ではあるが煙草の煙のなかにも含まれている。とくに集団的にCO中毒が発生して,社会的に問題をおこしているのは,炭鉱の坑内爆発やトンネル工事中の事故などによるものである。

言及状況

外部データベース (DOI)

Twitter (1 users, 1 posts, 0 favorites)

一酸化炭素中毒後遺症と脳障害 (保健婦雑誌 23巻12号) | 医書.jp https://t.co/obbUmmZoP0

収集済み URL リスト