著者
芦澤 一英
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理学雑誌 (ISSN:00155691)
巻号頁・発行日
vol.127, no.3, pp.213-216, 2006 (Released:2006-05-01)
参考文献数
12
被引用文献数
5 7

近年,製薬企業は効率的な新薬開発実施のために製品開発のスピード化が強く要請されている.一方,開発候補化合物の約4割が生物薬剤学的性質に基づく理由で開発段階においてドロップアウトし,開発コストを押し上げ創薬難度を高める原因になっている.そのため,創薬のスピードアップには,探索段階における莫大な数の試験サンプルの合成や評価を実施する際に,経口吸収性に関わる溶解度や脂溶性などの物性評価も,同時に短時間で実施することが重要である.また,開発候補化合物は,最終的な原薬と製剤の品質保持を考慮し,原薬開発基本形である塩形および結晶形を選定する必要がある.新しい化合物を医薬品として世に送り出すためには,開発の早い段階であらゆる化合物特性をよく調べておくことが重要であり,本稿は「創薬段階における物性評価の重要性」についてまとめた.

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