著者
大滝 修司
出版者
Japan Gastroenterological Endoscopy Society
雑誌
日本消化器内視鏡学会雑誌 (ISSN:03871207)
巻号頁・発行日
vol.35, no.7, pp.1545-1553, 1993-07-20 (Released:2011-05-09)
参考文献数
31

Nitrosourea系制癌剤のNimustine HydrochlorideからHydrochlorideを除去したNimustine50mgとLipiodo110m1との懸濁液(N-L液)の癌局注療法における原発巣及びリンパ節転移に対しての抗腫瘍効果について検討した.【材料と方法】(1)C57Black/6 MouseにLewis Lung Cancerを移植,N-L液,MitomycinC, Adriamycin, Oil bleoをそれぞれ移植腫瘍内に局注して,その直接的抗腫瘍効果を比較検討した.(2)同様にN-L液局注後のDNA Histogramの変動をFlow cytometryを用い測定した.(3)ICR Mouseの足底部にSarcoma180を移植し,リンパ節転移に対するN-L液の抑制効果を検討した.【結果】(1)N-L液の直接的抗腫瘍効果が最も強かった.(2)DNA Histogramの変動は,局注前と比較し局注後G0-1期の比率が減少し,S期,G2-M期の比率が上昇した.(3)N-L液はリンパ節転移抑制効果を認めた.【結論】N-L液の局注療法は原発巣だけでなくリンパ節転移に対しても抗腫瘍効果が認められた.

言及状況

外部データベース (DOI)

Twitter (1 users, 1 posts, 0 favorites)

収集済み URL リスト