著者
Tetsuo KIMURA Naoki MUGURUMA Tatsuzo ITAGAKI Yoshitaka IMOTO Masako KAJI Hiroshi MIYAMOTO Seisuke OKAMURA Tetsuji TAKAYAMA Jouji SHUNTOU
出版者
Japan Gastroenterological Endoscopy Society
雑誌
GASTROENTEROLOGICAL ENDOSCOPY (ISSN:03871207)
巻号頁・発行日
vol.50, no.6, pp.1448-1454, 2008-06-20 (Released:2011-05-09)

症例は63歳,男性.つるし柿6個を一度に食べた後に,腹痛・嘔吐が出現し近医を受診した.上部消化管内視鏡検査にて6cm大の胃石を認めた.柿胃石と判断し,近年の報告を参考にコカ・コーラの経口摂取や内視鏡下にERCP力ニューレを用いて直接散布などを行ったところ,数個の破片に崩壊,消失する経過が内視鏡的に観察された.本疾患に対するコカ・コーラによる溶解療法は安全かつ簡便で,医療経済的にも有用な方法であると考えられた.
著者
Osamu KAWAMURA Takeshi SAWADA Takeshi HARA Tatsuki KODAMA Haruto SANADA Seiko SIMAZAKI Mitsuya MUGIKURA Yasuyuki NISHIDA Hiroyasu OHHARA Kazuhiko MATSUSHITA
出版者
Japan Gastroenterological Endoscopy Society
雑誌
GASTROENTEROLOGICAL ENDOSCOPY (ISSN:03871207)
巻号頁・発行日
vol.44, no.6, pp.1019-1022, 2002-06-20 (Released:2011-05-09)

症例は45歳の男性で,肛門からアルコール濃度35%の焼酎を注入したところ下.血を生じ,当院へ入院した.大腸鏡検査では,肛門からS状結腸下部まで連続性に潰瘍,びらん,発赤,浮腫が見られた.病変部と健常粘膜との境界は明瞭であった.組織像では表層にちかづくほど粘膜の著しい壊死,脱落が見られ,腺管構造の破壊,血管の破綻による出血,滲出が見られた.アルコール注腸による直腸結腸炎は極めてまれであり貴重な症例である.
著者
永田 浩一 田尻 久雄 光島 徹 歌野 健一 高林 健 渡辺 直輝 赤羽 麻奈 加藤 貴司 平山 眞章
出版者
一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
雑誌
日本消化器内視鏡学会雑誌 (ISSN:03871207)
巻号頁・発行日
vol.55, no.3, pp.435-444, 2013 (Released:2013-05-21)

【目的】大腸3D-CTを用いて日本人とアメリカ人の大腸の長さを比較した.【対象】50歳以上の日本人とアメリカ人650名ずつ,合計1,300名を対象とした.【結果】全対象における全大腸の長さの平均は日本人とアメリカ人でそれぞれ154.7cm,158.2cm,(p値:0.003,効果量:0.17),S状結腸と直腸を合計した長さの平均はそれぞれ63.3cm,62.5cm,(p値:0.23,効果量:0.07)であった.世代別では,50歳代で全大腸の長さの平均は日本人とアメリカ人でそれぞれ153.2cm,155.6cm,60歳代で155.2cm,159.3cm,70歳代で161.8cm,165.2cmで,日米ともに世代が上がるにつれて有意に長くなった.【結論】日本人とアメリカ人の大腸の長さの差に実質的効果はみられずほぼ同等である.一方,日米ともに世代が上がるにつれて全大腸の長さは長くなる.
著者
堀田 潔 渡部 公彦 森 あろか 高塚 正樹 林 健博 松山 宗樹 仲川 浩一郎 薮嶒 恒夫 藤原 靖弘 荒川 哲男
出版者
一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
雑誌
日本消化器内視鏡学会雑誌 (ISSN:03871207)
巻号頁・発行日
vol.55, no.8, pp.2202-2207, 2013 (Released:2013-08-28)

症例は68歳,男性.数週間前より腹部膨満感を自覚しており,外来での上部内視鏡検査で胃石を認めた.当院入院後,コーラによる溶解療法に引き続いて,内視鏡的にスネアで砕石,除去し得た.胃石の治療としてはコーラ溶解療法,内視鏡的治療が知られているが,それぞれの単独治療でのデメリットを補う意味でも,併用療法が単独治療より有用かつ安全であると思われる.
著者
水重 知子 和唐 正樹 稲葉 知己 水川 翔 高嶋 志保 泉川 孝一 石川 茂直 田岡 伸朗 三好 正嗣 河合 公三
出版者
一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
雑誌
日本消化器内視鏡学会雑誌 (ISSN:03871207)
巻号頁・発行日
vol.56, no.9, pp.3340-3346, 2014 (Released:2014-09-27)

胃石の治療としてコカコーラ等の炭酸飲料水による溶解療法の有用性が報告されているが機序は明らかでない.われわれは,炭酸飲料の溶解作用の主体は,二酸化炭素の気泡による物理的作用と考え,柿胃石の2症例に炭酸水による溶解療法を行い有効であったので報告する.症例1は91歳,女性.上部消化管内視鏡検査で5cm大の胃石と胃潰瘍を認めた.症例2は79歳,女性.上部消化管内視鏡検査で4cm大の胃石と胃潰瘍を認めた.2症例とも内視鏡的に破砕困難であった胃石が,1日量2,000mlの炭酸水による3日間の溶解療法後,容易に破砕が可能となった.
著者
Shozo FUJIWARA Hiroshi SATOH Takuya NOGUCHI Hitoshi NAGATO Hideaki OZAKI Ryuichi KIKUCHI Tsuyoshi NOGUCHI Yuzo UCHIDA
出版者
Japan Gastroenterological Endoscopy Society
雑誌
GASTROENTEROLOGICAL ENDOSCOPY (ISSN:03871207)
巻号頁・発行日
vol.44, no.2, pp.146-150, 2002-02-20 (Released:2011-05-09)

症例は69歳,男性.脳梗塞後遺症のため胃瘻が造設されていた.出血性胃潰瘍のため緊急入院.H2受容体拮抗剤により一時は軽快したが,2カ月後,潰瘍は一再発した.その後3カ月間の治療にて潰瘍は瘢痕化しなかったため,オメプラゾール坐剤を調製し投与した.投与中の24時間胃内pHモニタリングでは酸分泌抑制効果はほぼ完全であり,潰瘍は速やかに瘢痕化した.嚥下困難な患者の難治性胃潰瘍に対し,オメプラゾール坐剤の投与は極めて有効な治療法であると考えられた.
著者
葛西 恭一 石田 恵梨 小林 由佳 曽我 幸一 金光 大石 坂本 京子 竹中 信也 柳田 國雄 伊谷 賢次
出版者
Japan Gastroenterological Endoscopy Society
雑誌
日本消化器内視鏡学会雑誌 = Gastroenterological endoscopy (ISSN:03871207)
巻号頁・発行日
vol.55, no.2, pp.257-261, 2013-02-20

症例1は75歳男性.心房細動にてダビガトラン220mg/日服用開始したところ,5日後より食道閉塞感,ゲップを自覚.上部消化管内視鏡検査にて中部食道に白色の膜様付着物を伴った潰瘍性病変を認めた.ダビガトランを継続しながらプロトンポンプ阻害剤(以下PPI)を服用したところ潰瘍は治癒した.症例2は68歳,女性.発作性心房細動に対しダビガトラン300mg/日服用開始77日後より胸焼けを自覚.上部消化管内視鏡検査にて中部食道に白色の膜様付着物を伴った潰瘍性病変を認めた.ダビガトランを中止しPPI投与したところ潰瘍は治癒した.ダビガトランは循環器領域で使用頻度が高まると予想される薬剤であり,薬剤性食道潰瘍の原因となり得ることを念頭に置く必要がある.
著者
藤本 一眞 藤城 光弘 加藤 元嗣 樋口 和秀 岩切 龍一 坂本 長逸 内山 真一郎 柏木 厚典 小川 久雄 村上 和成 峯 徹哉 芳野 純治 木下 芳一 一瀬 雅夫 松井 敏幸
出版者
一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
雑誌
日本消化器内視鏡学会雑誌 (ISSN:03871207)
巻号頁・発行日
vol.54, no.7, pp.2075-2102, 2012 (Released:2012-07-26)
被引用数
6 or 0

日本消化器内視鏡学会は,日本循環器学会,日本神経学会,日本脳卒中学会,日本血栓止血学会,日本糖尿病学会と合同で“抗血栓薬服用者に対する消化器内視鏡診療ガイドライン”を作成した.従来の日本消化器内視鏡学会のガイドラインは,血栓症発症リスクを考慮せずに,抗血栓薬の休薬による消化器内視鏡後の出血予防を重視したものであった.今回は抗血栓薬を持続することによる消化管出血だけでなく,抗血栓薬の休薬による血栓塞栓症の誘発にも配慮してガイドラインを作成した.各ステートメントに関してはエビデンスレベルが低く推奨度が低いもの,エビデンスレベルと推奨度が食い違うものがあるのが現状である.
著者
永田 浩一 田尻 久雄 光島 徹 歌野 健一 高林 健 渡辺 直輝 赤羽 麻奈 加藤 貴司 平山 眞章
出版者
Japan Gastroenterological Endoscopy Society
雑誌
日本消化器内視鏡学会雑誌 = Gastroenterological endoscopy (ISSN:03871207)
巻号頁・発行日
vol.55, no.3, pp.435-444, 2013-03-20

【目的】大腸3D-CTを用いて日本人とアメリカ人の大腸の長さを比較した.<BR>【対象】50歳以上の日本人とアメリカ人650名ずつ,合計1,300名を対象とした.<BR>【結果】全対象における全大腸の長さの平均は日本人とアメリカ人でそれぞれ154.7cm,158.2cm,(<I>p</I>値:0.003,効果量:0.17),S状結腸と直腸を合計した長さの平均はそれぞれ63.3cm,62.5cm,(<I>p</I>値:0.23,効果量:0.07)であった.世代別では,50歳代で全大腸の長さの平均は日本人とアメリカ人でそれぞれ153.2cm,155.6cm,60歳代で155.2cm,159.3cm,70歳代で161.8cm,165.2cmで,日米ともに世代が上がるにつれて有意に長くなった.<BR>【結論】日本人とアメリカ人の大腸の長さの差に実質的効果はみられずほぼ同等である.一方,日米ともに世代が上がるにつれて全大腸の長さは長くなる.
著者
天野 秀雄 榊 信広 竹内 憲 野村 幸治 多田 正弘 岡崎 幸紀 斉藤 満 飯田 洋三 沖田 極 竹本 忠良
出版者
一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
雑誌
日本消化器内視鏡学会雑誌 (ISSN:03871207)
巻号頁・発行日
vol.22, no.10, pp.1346-1350_1, 1980

新拡大内視鏡分類にもとずいて,胃粘膜表面にみられる胃小区よりもさらに細かい模様像である胃粘膜微細模様を観察し,胃局在病変の微細形態を検討した.新拡大内視鏡分類を用いるにあたって,今回は局在病変部の粘膜微細模様を正確に表現するために,さらに細かく分類し,CおよびDについて,C<SUB>1</SUB>(整),C<SUB>2</SUB>(粗大),C<SUB>3</SUB>(不整),D<SUB>1</SUB>(整),D<SUB>2</SUB>(軽度不整),D<SUB>3</SUB>(高度不整)の亜分類をもうけた. 一般に,過形成性ポリープはBCCD.異型上皮巣(ATP)はC<SUB>3</SUB>.隆起性胃癌はC<SUB>3</SUB>をとることが多く,一方陥凹性胃癌ではD<SUB>3</SUB>,胃潰瘍は病期により異なるが,CD D<SUB>1</SUB>D<SUB>2</SUB>をとることが多かった.潰瘍の病態との関係では,難治性胃潰瘍では,Dをしめすことが多い.
著者
関谷 千尋 矢崎 康幸 高橋 篤 沼崎 彰 並木 正義
出版者
一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
雑誌
日本消化器内視鏡学会雑誌 (ISSN:03871207)
巻号頁・発行日
vol.21, no.8, pp.974-980_1, 1979

われわれは肝の硬きを明確にとらえ,それを数値的にあらわしうる肝硬度計を新しく試作し,検討してみた.この肝硬度計は腹腔鏡検査のさい,シルバーマン針の外套管を利用して測定するようにできており,操作は数分で終了する程簡単なものである.しかも,手もとにpilot lampがついており,肝表面に硬度計が遼すると点灯するようにしてあるため,常に一定の条件で測定することができる.したがって,得られた肝硬度1直は再現性が高いだけでなく,腹腔鏡所見や肝生検所見の線維化と非常によく相関していた.一般に,肝の線維化が進む程肝硬度を示す数値は低くなり,肝硬変では最も低い値を示した.今回の成績からこの肝硬度計は肝疾患の診断や病態解明に有用であることが確認された.
著者
Masanori TANAKA
出版者
Japan Gastroenterological Endoscopy Society
雑誌
GASTROENTEROLOGICAL ENDOSCOPY (ISSN:03871207)
巻号頁・発行日
vol.48, no.9, pp.2267-2276, 2006-09-20 (Released:2011-05-09)
被引用数
0 or 1

大腸には特発性炎症件腸疾患(IBD)とそれ以外の多種多様な腸炎(non-IBD)がある.生検診断はこれらの疾患の鑑別に有用であるが,特異的所見を欠くものが多いために難易度が高い.この問題の解決に向けた研究が多変量解析を用いて行われ,Crohn病(CD),潰瘍性大腸炎(UC),non-IBDの3者を鑑別する生検診断基準がいくつか報告されている.最近発表された診断基準の感度・特異度は,96%・97%(IBD vs non-IBD)および92%以上・94%以上(CDvsUC)と高く,臨床応用できるレベルである.これらの診断基準を組み入れた診断アルゴリズムを用いることにより,活動期・急性期の大腸炎を系統的手順で診断することができる.UC患者については,ステロイド抵抗性・依存性を予測する生検診断基準も報告されている.しかし,切除標本を病理学的に検討してもCDともUCとも確定診断できないindeterminate colitis(IC)症例が3~10%は存在する.診断の時期と方法が施設により異なるため,CDあるいはUCへの診断変更率にはバラツキがあるが,ICとして手術された症例のうち少なくとも20%前後はCDであることでは一致している.
著者
岡田 裕之 吉野 正 品川 克至 山本 和秀
出版者
一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
雑誌
日本消化器内視鏡学会雑誌 (ISSN:03871207)
巻号頁・発行日
vol.55, no.9, pp.3067-3078, 2013 (Released:2013-09-28)
被引用数
0 or 4

マントル細胞リンパ腫(MCL)はリンパ濾胞のマントル層を構成するB細胞性リンパ腫である.免疫組織学的検査ではCD5陽性,CD10陰性およびcyclin D1陽性を示し確定診断に有用である.遺伝子異常としてはt(11;14)(q13;q32)転座がある.約75%が診断時にすでにIII/IV期の進行期であると報告されており,消化管浸潤は高率に認められる.本邦における消化管浸潤71例のレビューでは約68%が診断時にすでにIV期であった.消化管病変では胃病変が2/3を占め,結腸病変も2/5に認められ,一方,食道病変は稀であった(4例).胃病変は多様であり,腫瘤型,潰瘍型,雛襞腫大,そしてmultiple lymphomatous polyposis(MLP)を呈するものもあり,一方,十二指腸から大腸にかけてはMLPとして認められる場合が多かった.MCLの予後はB細胞性リンパ腫のなかでも不良であり,生存率の中央値は48-68カ月と報告されている.通常のCHOP(cyclophospamide, doxorubicin, vincristine, and prednisone)療法,あるいはrituximab併用CHOPの治療強度を高めるためにhyper-CVAD/MA(cyclophosphamide, vincristine, doxorubicin, dexamethasoneによる化学療法とmethotrexate, cytarabineによる化学療法の交替療法)が考案され,長期生存がみられている.また,本治療後に自己末梢血幹細胞移植併用の大量化学療法を行うことにより,完全寛解率,無再発生存率が向上することが報告されている.
著者
Shigekazu HAYASHI Takayoshi KANBE Wataru HONDA Masaki SASAKI
出版者
Japan Gastroenterological Endoscopy Society
雑誌
GASTROENTEROLOGICAL ENDOSCOPY (ISSN:03871207)
巻号頁・発行日
vol.47, no.10, pp.2345-2352, 2005-10-20 (Released:2011-05-09)

急性感染性腸炎の内視鏡診断の古くは細菌性赤痢を中心に直腸鏡を用いて行なわれ,S状結腸鏡の時代を経て現在の全大腸内視鏡へと観察範囲が広がるにつれて新知見が加わり,またカンピロバクター腸炎や腸管出血性大腸菌(O157)腸炎など新しい疾患も出現し,その意義や重要性が認められるようになってきた.急性感染性腸炎はしばしば血便を伴うことから,鑑別診断上便の細菌培養結果を待たずに大腸内視鏡検査がなされるが,カンピロバクター腸炎ではバウヒン弁上の潰瘍,腸炎ビブリオ腸炎ではバウヒン弁の腫大,びらん,終末回腸のびらん,腸管出血性大腸菌腸炎では深部大腸程高度な虚血性病変など,病変部位と内視鏡像の特徴から起因菌の推定も可能である.迅速な治療のみならず,スコープの洗浄,消毒など二次感染防止という点でも急性感染性腸炎の内視鏡所見を熟知しておくことは大腸内視鏡施行にあたって極めて重要である.