著者
牧田 実
出版者
コミュニティ政策学会
雑誌
コミュニティ政策 (ISSN:1348608X)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.156-173, 2006 (Released:2013-03-28)
参考文献数
24

本稿は、沖縄県宜野湾市を事例に、地域共同管理と「公共性」の関係を考察することを目的とする。那覇市の北部に位置する宜野湾市は人口約9万の地方都市であり、市域の中央部には普天間飛行場、北部にはキャンプ端慶覧があり、これら軍用地の面積が市域の3割以上を占めている。またインテンシブな事例調査の対象とする宜野湾区は、行政区でありまた自治会の範域でもあるが、戦前の集落をほぼ全面的に普天間飛行場に接収され、戦後あらたに集落を再建した地区である。宜野湾市とりわけ宜野湾区の住民は、いまも基地と隣り合わせに住み、基地という日常的なリスクと向き合って生活する一方、基地雇用や軍用地料に生活を依存する状態にある。ここにみられるのは、基地に象徴されるグローバルおよびナショナルなレベルの「公共性」の論理の地域社会への浸透であり、宜野湾市および宜野湾区の地域共同管理の課題は「公共性」問題と不可分に結びついている。本稿では、普天間飛行場の返還が日程にのぼりつつある宜野湾市の事例をとおして、地域共同管理と「公共性」の重層的関係について考察する。

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@yucnac3 @Beriozka1917 丘陵地帯は畑が大半だった様子。戦前の集落はほぼ全面的に普天間飛行場に接収されたみたいですね。 調べてみると勉強になります。 https://t.co/4ocbXrGnuq

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