著者
伊藤 康弘 宮内 昭
出版者
日本内分泌外科学会・日本甲状腺外科学会
雑誌
日本内分泌・甲状腺外科学会雑誌 (ISSN:21869545)
巻号頁・発行日
vol.34, no.3, pp.160-165, 2017 (Released:2017-11-16)
参考文献数
8
被引用文献数
1

甲状腺濾胞癌は,乳頭癌の次に頻度の高い甲状腺濾胞細胞由来の癌である。乳頭癌と異なり,リンパ節転移や周辺臓器への浸潤は少ないが,反面遠隔転移や遠隔再発が多い。濾胞癌の予後不良因子としては手術時の遠隔転移(M1),低分化成分の存在(50%以上),浸潤度(広汎浸潤型),年齢(再発予後不良因子は20歳未満と45歳以上,生命予後不良因子は45歳以上)が挙げられる。濾胞癌は術前の細胞診では診断がつきにくく,濾胞性腫瘍という診断の元に初回手術は通常,片葉切除が行われる。しかしM1症例や組織学的に予後不良因子をもつ症例に対しては,病理診断がついたあとで,補完全摘や症例によっては放射性ヨウ素を用いたアブレーションが推奨される。

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