著者
下野 九理子
出版者
大阪大学大学院 大阪大学・金沢大学・浜松医科大学・千葉大学・福井大学連合小児発達学研究科
雑誌
子どものこころと脳の発達 (ISSN:21851417)
巻号頁・発行日
vol.13, no.1, pp.3-8, 2022 (Released:2022-10-15)
参考文献数
30

非侵襲的で空間分解能が良く,解析方法の技術革新が進んだMRIは自閉スペクトラム症(ASD)の病態解明やバイオマーカーとして良く使われる.しかしASDは“スペクトラム”と称されるとおり,特性の重症度・顕著な症状の個人差が大きく・年齢による変化・環境による変化など多様性に富むことから研究結果にばらつきが生じ,全体像の把握を困難にしている.我々の研究室では1)ASDの協調運動障害,2)小脳構造と運動・認知との関わり,3)計画性や言語理解の障害と白質脳構造の関係,4)攻撃性や問題行動と辺縁系の関係,5)言語認知と白質構造について研究を行ってきた.本稿ではこれらの研究成果を紹介しながら,ASDの病態解明をサブタイプ別に検討することの重要性について論じる.

言及状況

外部データベース (DOI)

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@cocoromisupli fMRIや遺伝子解析でASDサブタイプをグループ化という文献が2022年に出てますが、 そもそもの疾患と病態生理のパラメータ研究がもっと進んでようやく評価ができるようになってくる、と将来性に期待して良い所なんでしょうか。 https://t.co/iPaHdLl8Vz

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