著者
渡辺 幸一
出版者
公益財団法人 腸内細菌学会
雑誌
腸内細菌学雑誌 (ISSN:13430882)
巻号頁・発行日
vol.30, no.3, pp.129-139, 2016 (Released:2016-08-09)
参考文献数
42
被引用文献数
2

ビフィズス菌は,主にヒトや動物の腸管から分離されるグラム陽性の多形性桿菌であり,系統分類学的にはActinobacteria門のBifidobacteriaceae科に属する6属58菌種で構成される.なかでもBifidobacterium属は,50菌種10亜種で構成され,その中心を占めている.微生物の分類体系は,菌種同定や分類法の技術の進歩と密接な関係にある.DNA-DNA相同性試験(DDH)法は,1960年代から用いられ,現在でも菌種を区別するための最も重要な基準である.一方,16S rRNA遺伝子配列データに基づく系統解析は,煩雑な操作と熟練を必要とするDDHに替わる菌種分類の標準法として位置づけられている.しかしながら,16S rRNA遺伝子単独では菌種の分類同定が不可能である菌種グループが数多く存在する.近年,ハウスキーピング遺伝子の塩基配列に基づく多相解析法[Multilocus Sequence Analysis(MLSA)あるいはTyping(MLST)]および全ゲノム塩基配列の相同性(ANI)など,DDH法を補完・代替する分類方法が開発されている.ここでは,ビフィズス菌の分類法の現状と動向について解説する.

言及状況

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下僕メモ 「ビフィズス菌の分類法の現状と動向」(渡辺2016) https://t.co/rWEEEdMXFp Bifidobacterium属(ビフィズス菌)のうち animalis subsp. animalis / cuniculi / magnum / saeculare 計4種がうさぎの糞便から分離されたよ、という話。私はやはりうさぎの腸内環境維持に善玉菌は資する派。

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編集者: Meguromaguro
2021-06-28 19:24:08 の編集で削除されたか、リンク先が変更された可能性があります。

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