- 著者
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藤澤 倫彦
- 出版者
- 公益財団法人 日本ビフィズス菌センター
- 雑誌
- 腸内細菌学雑誌 (ISSN:13430882)
- 巻号頁・発行日
- vol.30, no.4, pp.177-190, 2016 (Released:2016-10-27)
- 参考文献数
- 45
- 被引用文献数
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1
現在,細菌(原核生物)では,Archaeaドメインが5つの門(phylum),Bacteriaドメインが30の門に分類されているが,このうちヒトの腸内に見出されるのは,Archaeaドメインの1門とBacteriaドメインの11門であり,なかでもBacteriaドメインのFirmicutes,Bacteroidetes,Actinobacteria,Proteobacteriaの4門だけで菌叢のほとんどを占めるとされている.ところで,ヒトの腸内には1,000種以上にもおよぶ多種多様な細菌が生息・存在しているといわれている. 近年,ヒトの腸管に生息・存在するBacteriaドメインの957菌種およびArchaeaドメインの8菌種が示された.本稿ではこの報告を基にBacteriaドメインの2門,すなわちFirmicutes門およびActinobacteria門を中心に,グラム陽性細菌,とりわけ主な偏性嫌気性グラム陽性細菌について新菌属,新菌種の提案や学名の変更など,分類の現状に触れてみる.