- 著者
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光岡 知足
- 出版者
- 公益財団法人 日本ビフィズス菌センター
- 雑誌
- 腸内細菌学雑誌 (ISSN:13430882)
- 巻号頁・発行日
- vol.16, no.1, pp.1-10, 2002 (Released:2010-06-28)
- 参考文献数
- 35
- 被引用文献数
-
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世紀の後半, 腸内フローラの研究が急速に進展し, 腸内フローラの検索・培養法と腸内嫌気性菌の菌種の分類・同定法が確立されて, 多くの微生物生態学的知見が集積し, 腸内フローラの宿主の健康や疾病における役割が明らかにされた.このように, 腸内フローラのうちBifidobacteriumのような有用菌を優勢にし, Clostridiumのような有害菌を劣勢にコントロールすることがきわめて重要である.このような腸内フローラの研究の進展が基礎となって, 機能性食品が登場した.機能性食品はその作用機構に基づいて, “Probioticsプロバイオティクス”, “Prebioticsプレバイオティクス”, “Biogenicsバイオジェニックス” に分けられる.プレバイオティクスは, 結腸内の有用菌の増殖を促進し, あるいは, 有害菌の増殖を抑制することによって宿主の健康に有利に作用する難消化性食品成分で, ラクツロース, スタキオース, ラフィノース, フラクトオリゴ糖, 大豆オリゴ糖, 乳果オリゴ糖, ガラクトオリゴ糖, イソマルトオリゴ糖, キシロオリゴ糖, パラチノースなどの難消化性オリゴ糖がこれに含まれる.多くのオリゴ糖は, 試験管内でBifidobacterium (B.bifidumを除く) により, また, Bacteroides fragilis groupやEnterococcusによってある程度発酵されるが, C.perfringensやEscherichia coliによっては発酵されない.オリゴ糖の摂取は, 腸内Bifidobacteriumフローラの増殖を促進し, その結果, 宿主の便性改善と腸内環境の浄化に働き, それによって宿主の脂質代謝も改善する.