著者
小野田 慶一
出版者
日本生理心理学会
雑誌
生理心理学と精神生理学 (ISSN:02892405)
巻号頁・発行日
vol.28, no.1, pp.29-44, 2010 (Released:2011-08-26)
参考文献数
92
被引用文献数
1 1

人間は社会的動物であり, 望ましい関係性から排斥されたときに悲痛な感情を経験する。このネガティブな感情は社会的痛みと呼ばれる。多くの動物実験及び画像研究の知見から, 身体的痛みと社会的痛みはその機能と神経機序を共有していることが示されてきた。本稿では, 背側前帯状回が身体的痛みと社会的痛みの共有システムに重要な役割を果たし, 鎮痛作用のあるオピオイドは社会的痛みをも減弱または消失させることを示した知見を紹介する。さらに, 社会的痛みの進化, 発達, 個人差に関しても概説する。社会的痛みの個人差に関しては先天的 (遺伝的)・後天的 (社会的) な要因の双方に言及している。また, 社会的排斥に対するサポートの効果に関しても議論する。最後に社会神経科学における排斥研究の展望を述べる。

言及状況

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@kicca222 肉体的なストレスと精神的ストレスは脳のほぼ同じ部位が興奮することが報告されています。心理学でいう「サイバーボール課題」ですね。 以下の論文が非常によくまとめて下さっています。 https://t.co/Kal60AS79F
おぉぉ…読み進むと中枢系に働きかけるアセトアミノフェンが効くらしい。けど「痛み」の根本解決せず痛みだけ取ることには警鐘ならしとる。2010年の論文だからもう少し新しいのも読んでみたいとこ この案件はブログ記事書こうと思てるけど、論文読みたい方はこちらどうぞ https://t.co/HvnjqHWSDD

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