著者
河野 文昭
出版者
社団法人 日本補綴歯科学会
雑誌
日本補綴歯科学会雑誌 (ISSN:03895386)
巻号頁・発行日
vol.51, no.2, pp.231-240, 2007-04-10 (Released:2010-08-10)
参考文献数
6
被引用文献数
1 1

義歯治療の目的は, 患者の機能の回復と審美性の改善残存組織の保全であり, 咬合採得は, これらを達成するための重要な診療ステップである. 部分歯牙欠損症例では, 残存歯に傾斜, 移動, 挺出, 動揺, 咬耗などが認められることが多く, 咬合平面の決定と上下顎顎間関係を記録する咬合採得の操作では, これら残存歯などの残存組織に対する配慮が必要となり, 無歯顎に比べて考慮すべき事項が多い.そのため, 誤りの少ない咬合採得を行うためには, 部分歯牙欠損症例の特徴を理解し, 義歯の印象, 義歯設計に対する知識だけでなく, 咬合に対する知識を整理し, 身につけておくことが重要である. また, 診療室では, いくつかの咬合採得の術式を併用しながら, 一つ一つのステップを確実に行い, チェックすることが大切である. 特に, 咬合が不安定な場合や採得した下顎位に自信がない場合には, 迷わずチェックバイト法やゴシックアーチ法によって確認することも大切である.そこで, 今回は咬合採得時に陥りやすい誤りを整理し, 咬合床の設計と咬合採得の基本的なスキルを中心に解説した.

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@harunezumi_i 先生、いつもありがとうございます。 この頃悩んでたのはこういう内容です。印象の時にいくら加圧しても咬合採得時には加圧されてないよね?っていう。。。 https://t.co/rFBZ5dpr36

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