著者
御村 光子 佐藤 公一 井上 光 並木 昭義
出版者
一般社団法人 日本ペインクリニック学会
雑誌
日本ペインクリニック学会誌 (ISSN:13404903)
巻号頁・発行日
vol.10, no.2, pp.141-144, 2003-04-25 (Released:2009-12-21)
参考文献数
7
被引用文献数
1

目的: 発症より1年以上経過した帯状疱疹後神経痛 (PHN) における局所麻酔薬による神経ブロックの効果を retrospective に検討した. 方法: 発症後平均31.5ヵ月を経過したPHNの6症例を対象とし, 痛みの推移を pain relief score (PRS) を指標として評価した. これら症例においてはアミトリプチリンを併用し, 1%リドカインを用いた星状神経節ブロックまたは硬膜外ブロックを初診より1~2ヵ月間は週1~2回の頻度で行った. 結果: 6症例はすべて女性, 平均年齢64歳, 平均観察期間は19ヵ月, 罹患部位は三叉神経第1枝3症例, 頸, 胸神経各々1, 2症例であった. 初診より約4週間において痛みの程度の低下は顕著であり, その後疼痛が軽減した症例は1症例のみであった. 5症例については神経ブロックにより段階的に痛みが軽減した. 初診時の痛みの程度を10とするPRSでみた場合, 最終的に3症例でPRS 5, 2症例で3, 1症例で1となった. 結論: 発症後1年以上を経過したPHN症例においても, アミトリプチリン併用下に局所麻酔薬を用いた神経ブロックにより痛みの軽減を期待できる.

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