- 著者
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星原 徳子
- 出版者
- JAPANESE ASSOCIATION OF CERTIFIED ORTHOPTISTS
- 雑誌
- 日本視能訓練士協会誌 (ISSN:03875172)
- 巻号頁・発行日
- vol.33, pp.69-71, 2004-07-31 (Released:2009-10-29)
- 参考文献数
- 4
フレネル膜プリズム(以下膜プリズム)の貼り間違いによる例を示す。13歳の女子、先天内斜視に対して膜プリズムで眼位と両眼視機能の経過観察中、前回に処方した膜プリズムを装用して受診した際、内斜視の増大、両眼視機能の低下が生じた。しかし、担当した視能訓練士(ORT)はこれらの原因を追究することができなかった。再検査により、膜プリズムの貼り間違いが生じていることが判明した。視能矯正中のヒヤリハット防止策として次の点をあげる。1.先入観、思い込みをしない2.自覚的な装用感を確認する3.膜プリズム装用に違和感等があれば連絡をとる4.膜プリズムの装着は基底方向を確認する5.眼鏡チェックは担当したORTが行う6.カルテにその経過を記載する